クリニックのホームページやSNSでの情報発信は、集患に欠かせない活動ですが、その内容が意図せず医療広告ガイドラインに違反すると、罰則だけでなく患者さんからの信頼を失うリスクがあります。
この記事では、厚生労働省が定める医療広告規制の基本的な考え方から、ホームページで特に注意すべき禁止表現、医院の強みを正しく伝えるための「広告可能事項の限定解除」の要件までを解説します。
知らないうちに法律に違反してしまう事態を避けるため、最新のガイドラインを正しく理解することが重要です。
あいこ集患したいけど、どこまでが許される表現なのかわからなくて不安です…
ふじたルールを正しく理解すれば、医院の強みを誠実に伝えられます
- 医療広告とみなされる「誘引性」と「特定性」という2つの条件
- ホームページで特に注意すべき6つの禁止表現
- 医院の強みを伝えるための広告可能事項の限定解除の4つの要件
- ガイドラインに違反した場合の罰則と具体的な対策
医療広告規制の基本とウェブサイトでの考え方

クリニックのウェブサイトやSNSでの情報発信は、今や集患に欠かせない活動です。
しかし、その内容が意図せず医療広告ガイドラインに違反すると、罰則を受けるリスクがあります。
特に、これまで対象外とされてきたウェブサイトが規制の対象になった点は、すべての医療機関が理解しておくべき最も重要なポイントです。
ここでは、医療広告規制の基本となる考え方、広告の定義、対象となる媒体の範囲、そして近年の法改正の動向について解説します。
患者保護を目的とした医療広告規制の背景
医療広告ガイドラインが設けられている根本的な理由は、患者さんを不適切な情報から保護するためです。
医療は、人の生命や身体に直接関わる専門性の高いサービスであり、患者さん自身が情報の正しさを判断するのは簡単ではありません。
もし誤解を招く広告が氾濫すると、患者さんが自身に合わない不適切な治療法を選択してしまう危険性が高まります。
こうした事態を防ぎ、誰もが安心して医療を選択できる環境を整えることが、この規制の目的です。
あいこそもそも、なぜこんなに厳しいルールがあるのでしょうか?
ふじた患者さんを不適切な情報から守り、安心して医療を選べるようにするためです
この規制はクリニックの活動を制限するためのものではなく、患者さんとの健全な信頼関係を築くための大切なルールと捉えることが重要になります。
広告とみなされる「誘引性」と「特定性」という2つの条件
どのような情報が「医療広告」と見なされるかには、明確な基準があります。
それは「患者を誘引する意図がある(誘引性)」ことと、「医療機関名が特定できる(特定性)」という2つの条件を両方満たす場合です。
この2つの条件が揃えば、情報発信者が広告と認識していなくても、法律上は広告として扱われます。
例えば、院長が個人的に運営しているブログであっても、クリニックへの受診を促す内容で医院名が記載されていれば、広告に該当するのです。
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| 誘引性 | 患者の受診などを誘う意図があること |
| 特定性 | 医療機関名や医師名がわかること |
自院のウェブサイトやSNSでの情報発信は、基本的にすべてが医療広告に該当するという前提で運用するのが安全です。
クリニックのホームページやSNSも対象となる広告媒体の範囲
医療広告規制の対象は、チラシや看板といった旧来の媒体に限りません。
現代の情報発信手段のほとんどが対象に含まれており、特に見落としがちなホームページやSNSも規制の対象です。
厚生労働省が示す医療広告ガイドラインでは、下記のように多岐にわたる媒体が広告として例示されています。
つまり、患者さんの目に触れる可能性のあるあらゆる情報発信が対象となると考えて間違いありません。
| 媒体の種類 | 具体例 |
|---|---|
| 紙媒体 | チラシ、パンフレット、ダイレクトメール |
| 屋外広告 | 看板、ポスター、アドバルーン |
| マス広告 | 新聞、雑誌、テレビ、ラジオ |
| インターネット | ホームページ、ブログ、SNS、メールマガジン |
| その他 | 説明会や相談会での口頭説明 |
これらの媒体で情報発信する際は、常にガイドラインを意識した内容作成が求められます。
2018年の医療法改正と近年の動向
医療広告規制の歴史における大きな転換点となったのが、2018年(平成30年)6月1日に施行された医療法改正です。
この改正により、それまで規制の対象外であった医療機関のウェブサイトが、明確に広告規制の対象として位置づけられました。
この改正の背景には、特に美容医療の分野で、ウェブサイトの誇大な情報による消費者トラブルが増加したことがあります。
さらに、近年も規制の見直しは続いており、2024年3月には未承認医薬品に関する広告の要件が追加されるなど、ガイドラインは常にアップデートされています。
あいこホームページはずっと前からあるけど、いつから規制が厳しくなったのですか?
ふじた2018年の法改正が大きな転換点で、最近も見直しが続いているため常に最新情報の確認が必要です
法律やガイドラインは社会情勢に合わせて変化していくため、クリニックを安定して運営するためには、常に最新の情報を把握し、適切に対応していく姿勢が不可欠です。
クリニックのホームページで注意すべき6つの禁止表現

クリニックのホームページは、医療広告ガイドラインにおける広告規制の対象です。
そのため、ウェブサイトで情報発信する際には、定められたルールを守る必要があります。
特に、患者さんを惹きつけたいという思いから使用した表現が、意図せずガイドライン違反となるケースは少なくありません。
知らないうちにガイドラインに違反し、積み上げてきた信頼を損なうことが最も避けるべき事態です。
ここでは、厚生労働省が定める医療広告ガイドラインに基づき、特に注意が必要な6つの禁止表現について、具体例を交えながら解説します。
これらのルールを正しく理解し、患者さんに対して誠実な情報発信を心がけることが重要になります。
根拠のない効果を示す「虚偽広告」
虚偽広告とは、客観的な事実に基づかない、または事実を偽って表現する広告のことです。
医学的な根拠がないにもかかわらず、治療の効果を保証するような表現は、典型的な虚偽広告にあたります。
例えば、「絶対に安全な手術です」や「治療成功率100%」といった断定的な表現は認められません。
また、「満足度95%」のように数値を記載する場合でも、客観的で正確な調査に基づいたデータでなければ、虚偽広告とみなされる可能性があります。
あいこ少しでも当院の良さを伝えたいだけなのに、どこまでが虚偽広告になるのでしょうか…?
ふじた客観的なデータや医学的根拠の有無が判断基準になります
クリニックの強みを伝えたい場合でも、事実に基づいた情報提供を徹底し、患者に誤解を与えない表現を用いる必要があります。
他院との比較で優位性を示す「比較優良広告」
比較優良広告とは、他の医療機関と比較して自院が優れていると示す広告を指し、原則として禁止されています。
客観的な事実であったとしても、比較広告は認められません。
「地域でNo.1の実績」「日本有数の〇〇専門医が在籍」といった最上級の表現や、「A歯科医院よりも安い費用で治療可能」といった直接的な比較は、比較優良広告に該当します。
また、「人気モデルの〇〇さんが当院で施術を受けました」のように、著名人の来院をアピールすることも、間接的に他院より優れていると示すものと判断されるため注意が必要です。
あいこ近隣のクリニックとの違いをどうアピールすれば良いか悩ましいです
ふじた他院との比較ではなく、先生のクリニックならではの強みや特徴を伝えることに注力しましょう
競争の激しい地域であっても、他院を貶めたり、安易に比較したりするのではなく、自院ならではの治療方針や設備、患者への姿勢などを丁寧に伝えることが求められます。
治療効果を誤認させる「誇大広告」
誇大広告とは、事実を過剰に表現したり、医療の内容や効果について患者に誤った認識を与えたりする広告です。
虚偽広告と似ていますが、事実を偽るのではなく、表現が大げさである点が特徴です。
例えば、科学的根拠が乏しいにもかかわらず「この治療を受ければ、シミがすべて消える」と断言したり、術後のダウンタイムやリスクについて触れずに良い結果だけを強調したりする行為は、誇大広告に該当します。
最新の医療機器を紹介する際も、その性能を過剰にうたい、誰にでも同じ効果があるかのような表現は避けなければなりません。
あいこ最新の機器を導入したから、その効果をしっかり伝えたいのですが…
ふじた機器の性能を客観的に説明し、患者さん個々で結果が異なる可能性を併記することが大切です
患者が治療に対して過度な期待を抱いてしまうと、結果的にトラブルの原因にもなります。
治療の限界や個人差についても正直に伝える姿勢が、信頼関係の構築につながるのです。
患者の主観に基づく「体験談」の掲載
患者さんの主観的な感想である「体験談」をウェブサイトに掲載することは、原則として禁止されています。
たとえ内容が事実であっても、個人の感想は他の患者に誤解を与える可能性があるためです。
「先生のおかげで長年の痛みがすっかりなくなりました」「スタッフの皆さんが親切で安心して治療を受けられました」といった患者の声は、クリニックにとって喜ばしいものですが、ウェブサイトで紹介することはできません。
これは、ある患者にとっての成功体験が、他のすべての患者に当てはまるわけではないという考えに基づいています。
あいこ患者さんの喜びの声は、何よりの励みであり、他の患者さんの参考にもなると思うのですが…
ふじたたとえ事実であっても、治療効果に関する個人の感想は広告とみなされ、規制の対象となります
患者さんの声を紹介する代わりに、クリニックの治療方針や医師の考え方を丁寧に説明することで、患者の信頼を得るアプローチが重要です。
詳細説明がない「ビフォーアフター写真」の扱い
治療前後の写真、いわゆる「ビフォーアフター写真」の掲載は、それ自体が禁止されているわけではありませんが、厳しい条件があります。
写真だけを掲載し、治療効果を視覚的にアピールすることは認められていません。
ビフォーアフター写真を掲載するためには、限定解除要件を満たした上で、写真に付随して以下の情報を詳細に説明する必要があります。
- 通常必要とされる治療内容(施術名など)
- 標準的な費用
- 主なリスクや副作用
特に美容医療や歯科の分野で多用されますが、2018年の医療法改正でこの点が厳格化されたため、細心の注意が必要です。
あいこ治療の効果は、写真で見せるのが一番分かりやすいですよね?
ふじたはい、ただし治療内容や費用、リスクなどの詳細な説明を併記することが必須条件です
患者が写真を見て治療内容を誤認しないよう、必要な情報をすべて併記することが、ビフォーアフター写真を掲載する際の絶対条件となります。
キャンペーン告知など「品位を損なう広告」
費用を過度に強調するキャンペーンや、医療の品位を損なうと判断される表現を用いた広告は禁止されています。
医療は人の生命や身体に関わるサービスであり、不当な価格訴求で患者を誘引するべきではないという考え方が根底にあります。
「開院記念キャンペーン!ホワイトニング50%OFF」「今月限定、インプラント治療割引」といった価格を強調した告知は、品位を損なう広告とみなされます。
自由診療の費用を掲載すること自体は問題ありませんが、安易な価格競争を煽るような表現は避けるべきです。
あいこ新しい患者さんに来てもらうきっかけとして、キャンペーンを打ち出すのはダメなのでしょうか?
ふじた価格の安さを前面に出した集客方法は、医療の品位を損なうとして禁止されています
目先の集患のために価格でアピールするのではなく、医療の質や技術、患者への丁寧な対応といった本質的な価値を伝えることが、長期的なクリニックの発展につながります。
医院の強みを伝えるための広告可能事項の限定解除要件

クリニックの強みや特色を、ウェブサイトで十分に伝えるためには、「広告可能事項の限定解除」という仕組みを正しく理解し、活用することが不可欠です。
厳しいルールに縛られていると感じるかもしれませんが、この仕組みは、患者さんのために必要な情報を誠実に提供する医院の姿勢を示すためのものです。
以下の4つの要件を満たすことで、法律で定められた広告できる項目以外にも、治療内容や費用といった詳細な情報を掲載できます。
| 要件 | 主な内容 |
|---|---|
| 要件1 | 問い合わせ先の電話番号やメールアドレスなどを明記 |
| 要件2 | 自由診療の標準的な費用、治療期間、回数などを記載 |
| 要件3 | 自由診療の主なリスクや副作用について記載 |
| 要件4 | 未承認医薬品等を用いる場合、その詳細情報を記載(2025年改正点) |
これらの要件をウェブサイトで満たすことで、患者さんは治療について深く理解したうえで、安心して問い合わせや来院ができます。
結果として、医院への信頼性を高めることにつながるのです。
ホームページでの情報提供と限定解除の仕組み
「広告可能事項の限定解除」とは、医療広告ガイドラインで原則として広告が認められている項目以外の情報を、特定の条件下でウェブサイトに掲載できる仕組みを指します。
その大前提となるのが、患者さんが自ら情報を求めて閲覧するウェブサイトであることです。
この仕組みは、患者さんが医療機関や治療法を主体的に選ぶために、より詳細で正確な情報が必要であるという考え方に基づいています。
クリニック側からの押し付けの情報ではなく、患者さんが知りたい情報を、分かりやすく誠実に提供する場がウェブサイトであると位置づけられているのです。
あいこルールが厳しいだけでなく、きちんと情報を伝える道筋も用意されているのですね
ふじたはい、この仕組みを正しく活用することが、医院の強みを伝える鍵になります
この限定解除の仕組みを正しく理解し、要件を満たした情報提供を行うことが、患者さんへの誠実な姿勢を示し、信頼関係を築く第一歩となります。
要件1 問い合わせ先の明記
限定解除の最初の要件は、ウェブサイトを閲覧した患者さんが、内容について気軽に質問や相談ができる体制を整えることです。
具体的には、「医療機関の名称、電話番号及び所在地の記載」と「問い合わせに対応する者の氏名」を明記しなくてはなりません。
この要件の目的は、情報の発信元を明確にし、患者さんが抱いた疑問をすぐに解消できるようにすることにあります。
ウェブサイトのヘッダーやフッターなど、どのページからでもアクセスしやすい場所にこれらの情報を設置し、患者さんの不安を取り除くことが大切です。
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| 医療機関名 | 山田歯科クリニック |
| 所在地 | 〇〇県〇〇市〇〇町1-2-3 |
| 電話番号 | 012-345-6789 |
| 管理者の氏名 | 山田 誠 |
問い合わせ先をわかりやすく示すことは、単なる義務を果たすだけではありません。
患者さんとの対話に開かれた医院であることを伝え、安心感を与える重要な要素です。
要件2 自由診療の標準的な費用や期間・回数の記載
自由診療に関する情報を提供する際には、患者さんが治療を受けるかどうかを判断するために、費用の透明性を確保することが求められます。
治療にかかる標準的な費用、治療期間、そして通院回数の目安を、分かりやすく記載する必要があります。
治療前に費用や期間の見通しが立つことは、患者さんの経済的な不安を和らげ、トラブルを未然に防ぐために欠かせません。
例えばインプラント治療の場合、検査から手術、上部構造の装着まで含めた総額の目安として「総額〇〇円~〇〇円(検査・診断料、手術料、上部構造費用を含む)」のように、費用の内訳や幅を示して記載することが有効です。
あいこ費用の話を前面に出すと、患者さんに引かれてしまわないか少し心配です
ふじたお気持ちはよく分かります。ですが、事前に明確に提示することが、かえって患者さんの安心と信頼につながります
治療費用の情報を正確に開示することは、患者さんの自己決定を尊重する医院の誠実な姿勢の表れです。
この透明性が、長期的な信頼関係の土台を築きます。
要件3 自由診療の主なリスクや副作用の記載
治療の素晴らしい点やメリットを伝えたい気持ちは当然ですが、それと同時に起こりうる主なリスクや副作用についても正直に情報提供する義務があります。
これは、患者さんが利益と不利益を正しく理解し、納得した上で治療を選択する「インフォームド・コンセント」の考え方に通じる、重要な要件です。
例えば、セラミック治療であれば「健康な歯を削る必要があること」や「強い力がかかると破損する可能性があること」、ホワイトニングであれば「知覚過敏が生じる可能性があること」や「効果には個人差があること」などを具体的に記載します。
| 治療内容 | 主なリスク・副作用の例 |
|---|---|
| インプラント | 手術後の腫れ・痛み、細菌感染、インプラント周囲炎 |
| ホワイトニング | 知覚過敏、後戻り、効果の個人差 |
| セラミック治療 | 歯の切削、破損のリスク、脱離 |
| 矯正治療 | 治療中の痛み、口内炎、歯根吸収 |
ネガティブな情報を開示することに抵抗を感じるかもしれません。
しかし、リスクも含めた全ての情報を誠実に伝える姿勢こそが、医療機関としての責任であり、患者さんからの深い信頼を得るための鍵となるのです。
要件4 未承認医薬品等に関する情報提供(2024年3月改正点)
2024年3月に、医療広告ガイドラインが一部改正され、限定解除の要件に新たな項目が追加されました。
これは、国内で承認されていない医薬品や医療機器(未承認医薬品等)を用いる自由診療に関する情報提供のルールです。
この改正は、美容医療などを中心に海外製の未承認医薬品や機器が使われるケースが増えたことを背景に、患者さんが十分な情報を得て治療を選択できるよう設けられました。
2024年3月22日に厚生労働省から発表され、約1年間の周知期間を経て本格的に運用されるため、早めの対応が求められます。
ウェブサイトには、以下の情報を漏れなく記載する必要があります。
| 記載が必要な情報 |
|---|
| 未承認医薬品等であることの明示 |
| 入手経路等の明示 |
| 国内の承認医薬品等の有無の明示 |
| 諸外国における安全性等に係る情報の明示 |
| 医薬品副作用被害救済制度等の対象外であることの明示 |
あいこガイドラインはどんどん新しくなるので、常にアンテナを張っておく必要がありますね
ふじたその通りです。特にこうした改正点は見落としがちなので、定期的な確認が欠かせません
最新のガイドラインを遵守することは、法令違反のリスクを回避するだけでなく、患者さんに対して常に正確で誠実な情報を提供するという、医療機関の社会的責任を果たす上で極めて重要です。
医療広告ガイドライン違反のリスクと実践的な対策

医療広告ガイドラインに違反すると、法的な罰則だけでなく、クリニックが長年築き上げてきた患者さんからの信頼を失うことが最大のリスクです。
一度失った信頼を取り戻すことは容易ではありません。
ここでは、違反した場合に起こりうることや、リスクを回避するための具体的な対策について解説します。
行政指導から罰則までの流れ
ウェブサイトの表現が医療広告ガイドラインに抵触すると判断された場合、まずは管轄の保健所や厚生労働省から行政指導が入ります。
これは、違反内容の指摘と改善を促すための最初のステップです。
指導では、違反箇所の報告を求める「報告命令」や、実地調査のための「立入検査」が行われることがあります。
この段階で指摘に従い、速やかにウェブサイトを修正すれば、問題が大きくなることはありません。
しかし、指導を無視したり、改善が見られなかったりすると、広告の「中止命令」や「是正命令」といった、より重い行政処分へと進んでいきます。
あいこ万が一、ガイドライン違反を指摘されたら、いきなり罰則になるのですか…?
ふじたいいえ、まずは行政指導から始まり、改善の機会が与えられるのが一般的です
行政からの指導には誠実に対応し、速やかに改善することがクリニックを守る上で最も重要です。
6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則
度重なる行政指導や是正命令に従わない悪質なケースでは、罰則が科されます。
医療法では、違反した医療機関の管理者に対して「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が定められています。
罰則が適用されると、罰金の支払いや懲役だけでなく、厚生労働省のウェブサイトで違反事例として医院名が公表される場合もあります。
さらに、最悪のケースでは、病院または診療所の開設許可が取り消される可能性もゼロではありません。
罰則は、クリニック経営に深刻なダメージを与える結果を招きます。
広告代理店も対象となる規制の適用範囲
医療広告の規制対象は、クリニックや医療法人だけではありません。
広告の作成や運用に関わった広告代理店やウェブサイト制作会社なども対象に含まれます。
そのため、ホームページの制作や広告運用を外部に委託している場合でも、その内容に関する最終的な責任は院長先生にあります。
業者任せにせず、公開前の広告内容は院長先生ご自身で必ず確認する必要があります。
医療広告に関する知識が豊富な制作会社を選定し、二人三脚でガイドラインを遵守する体制を整えることが不可欠です。
あいこホームページの制作は業者に任せきりだったけど、大丈夫でしょうか…
ふじた業者選定が重要です。医療広告に詳しい業者を選び、内容を必ずご自身でチェックしましょう
外部のパートナーと協力する場合でも、クリニック側が主体性を持って広告内容を管理する意識が求められます。
ガイドライン違反に関する保健所への相談
自院のホームページの表現がガイドラインに違反していないか不安な場合、まず頼るべき相談先は、クリニックの所在地を管轄する保健所です。
多くの保健所では、医療広告に関する相談窓口を設けており、電話や訪問で相談が可能です。
「この表現を使っても問題ないか」といった個別の内容について、事前に確認することで、意図しない違反を未然に防げます。
処分を受ける前に自ら相談し、確認することがリスク管理の基本です。
専門的なアドバイスが必要な場合は、医療法務に詳しい弁護士や、医療専門のマーケティングコンサルタントに相談する方法もあります。
一人で抱え込まず、公的な機関や専門家の知見を活用して、適切に対応していきましょう。
よくある質問(FAQ)
- 医療広告ガイドラインと景品表示法の違いは何ですか?
-
この二つの法律は規制の目的と管轄が異なります。
医療広告ガイドラインは医療法に基づき、不適切な広告から患者を守ることを目的としており、厚生労働省が管轄します。
一方で景品表示法は、商品やサービス全般における不当な表示を禁止し、消費者の利益を守るための法律です。
クリニックのホームページや広告は両方の法律の対象となるため、どちらのルールも守る必要があります。
- クリニックの公式SNSや院長のブログ運用での注意点はありますか?
-
はい、SNSやブログも、閲覧者をクリニックに誘う意図があり医院名を特定できる場合、医療広告ガイドラインの規制対象です。
特に、好意的なコメントとして投稿された患者さんの体験談を放置すると、クリニックが掲載したと見なされ違反事例となる可能性があります。
また、「いいね!」の数などを根拠なくアピールすることも虚偽広告や誇大広告にあたるため、投稿内容の管理には細心の注意が求められます。
- 歯科のウェブサイトでビフォーアフター写真を載せる際のチェックリストはありますか?
-
歯科治療のビフォーアフター写真をウェブサイトに掲載するには、限定解除要件を満たした上で、詳細な説明を添えることが必須です。
簡単なチェックリストとして、①治療内容(例:セラミッククラウン装着)、②標準的な費用、③治療期間・回数、④主なリスクや副作用(例:歯を削る必要がある、破損の可能性がある等)の4点が、写真のすぐ近くに明記されているかを確認してください。
写真だけで効果をアピールする行為は禁止表現にあたります。
- 医療法と薬機法では、広告規制にどのような関係があるのですか?
-
医療法はクリニックなどの医療機関が行う広告活動そのものを規制する法律です。
一方で薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)は、医薬品や医療機器に関する広告を規制します。
例えば、国内未承認の医薬品を用いた治療を広告する場合、医療法の限定解除要件を満たすと同時に、薬機法に抵触しないよう、承認された効能効果を逸脱する表現をしないといった配慮が必要です。
両方の法律を理解し、最新情報を基に対応することが重要です。
- 広告内容がガイドライン違反にならないか不安です。事前にできる対策はありますか?
-
意図しない違反を防ぐための対策として、まず院内で広告内容を確認する体制を整えることが有効です。
その上で判断に迷う表現がある場合は、広告を公開する前に、クリニックの所在地を管轄する保健所の担当窓口へ相談するのが最も確実です。
事前に相談することで、行政指導や罰則といったリスクを未然に回避できます。
専門家の視点が必要な場合は、医療法務に詳しい弁護士に助言を求める方法もあります。
- 医師だけでなく、クリニックのスタッフも医療広告ガイドラインを理解するべきですか?
-
はい、医師だけでなく、受付やカウンセラー、SNS担当者など、患者さんと接するすべてのスタッフがガイドラインの基本を理解しておくことが不可欠です。
スタッフが電話口や窓口でうっかり比較優良にあたる発言をしたり、禁止表現を知らずにSNSへ投稿したりすることで、意図せず違反事例につながる恐れがあります。
クリニック全体で正しい知識を共有し、一貫した情報提供を行う体制を整えることが信頼を守る上で重要になります。
まとめ
医療広告ガイドラインは、患者さんを守るための大切なルールであり、クリニックのホームページやSNSでの情報発信もその対象です。
意図せず規定に違反し、クリニックが長年築き上げてきた患者さんからの信頼を失ってしまう事態を避けるためには、正しい知識を持つことが不可欠になります。
- 患者保護を目的とした規制であり、ウェブサイトも対象であるという基本原則
- 比較優良広告や患者の体験談など、特に注意すべき禁止表現の理解
- 医院の強みを誠実に伝えるための「広告可能事項の限定解除」の活用
この記事を参考に、まずはご自身のクリニックのホームページがガイドラインに沿っているか、改めて確認してみてください。
もし判断に迷う表現があれば、一人で悩まずに管轄の保健所へ相談することもできますので、安心して取り組めます。

